「正しさ」ってなんだろう


法身は色相に非ず 報と応と元より無二なり

(弘法大師 空海『五部陀羅尼問答偈讃宗秘論』)

仏の姿は見えないけれども、人々に応じて姿を現わしている。


最近、ニュースやSNSで、

「どちらが正しいか」をめぐる声が、

あちこちから聞こえてきます。


だれもが、自分は正しいと思っています。

でも、正しさは本当に、ひとつだけなのでしょうか。


たとえば、同じ雨でも、

農家の人は「恵みの雨」と言い、

遠足の子どもは「残念な雨」と言います。


雨は、何も変わっていません。

変わっているのは、雨を見る心です。


仏教では、

世界は、心のあり方によって姿を変える、と考えます。


自分の正しさだけを握りしめていると、

いつのまにか、相手の景色が見えなくなります。


少し立ち止まって、

「この人には、どんな世界が見えているのだろう」

と想像してみること。


それは、答えを出す力よりも、

人と生きるための力かもしれません。


正しさよりも、やさしさを。

勝つことよりも、わかろうとする心を。


正しさは、ぶつけ合うものではなく、

照らし合うものなのかもしれません。


そんな生き方を、

私たちは、ゆっくりと学んでいきたいものです。

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