■玉泉寺 今月の掲示板■「人の心は その人だけの山の奥 見えないところに 涙がある」
■玉泉寺 今月の掲示板■
「人の心は その人だけの山の奥 見えないところに 涙がある」
人と向き合っていると、
どうしても分からない心に出会うことがあります。
怒っているように見える人。
不機嫌そうな人。
親切にしても、あまり喜んでくれない人。
そういう姿に触れると、
「この人は何を思って生きているのだろう」
「何が幸せなのだろう」
と、心が揺れることがあります。
けれども、人の心というものは、
山の奥のようなものです。
遠くから見ると、ただ暗く静かに見えます。
けれど山の中には、
小さな沢が流れ、
誰にも知られない花が咲き、
深い土の下には水が眠っています。
人もまた同じです。
不器用で、うまく笑えない人。
感謝を言葉にできない人。
優しさを返すことが苦手な人。
その人の奥には、
その人にしか分からない歴史があり、
誰にも見せなかった涙があるのかもしれません。
怖かった父親にも、
感謝を言えない老人にも、
きっとその人だけの山奥があるのでしょう。
そして、
その山奥を無理に覗くことは
誰にもできません。
ただ、遠くから静かに手を合わせることはできます。
理解できない心があるということは、
私たちの心が冷たいからではありません。
むしろ、
「分かりたい」と思う優しさがあるからこそ
苦しくなるのです。
だからこそ、
そんなときは思い出してください。
人の心には、
見えないところに
それぞれの涙があるということを。
そして今日も、
分からないままでもいいから、
少しだけ優しく生きてみましょう。
それだけで、
この世界はほんの少し
やわらかくなるのです。