■玉泉寺 今月の掲示板■「小さな私から、大いなるいのちへ」
■玉泉寺 今月の掲示板■「小さな私から、大いなるいのちへ」
現代は、「人にとって役に立つか」が基準になりやすい時代です。
自然も、
動物も、
時間も、
時には人間関係さえも、
「便利か」「効率的か」「利益になるか」で測られてしまいます。
環境問題への取り組みも増えていますが、
その根底には、
「人類が生き延びるために自然を守ろう」
という考えがあるようにも感じます。
もちろん、それも大切なことです。
しかし、仏教、とりわけ密教の世界観は、
さらに大きな視点を持っています。
人間だけが特別なのではなく、
山も、風も、草木も、
老いも、死も、
星々の運行さえも、
すべてが大いなる宇宙の働きの中にある。
私たちは宇宙の主人ではなく、
宇宙の呼吸の一部として生かされている存在です。
朝に陽が昇り、
花が咲き、
やがて散り、
人もまた生まれ、
老い、
亡くなってゆく。
そこには、
人間の都合を超えた、
静かな大きな循環があります。
お墓参りで手を合わせる時間も、
草木を掃く時間も、
毎日の読経も、
単なる作業ではありません。
宇宙の流れに、
自らの呼吸を合わせ直していく時間なのかもしれません。
「小さな私から、大いなるいのちへ。人間中心から、宇宙中心へ。」
そう考えてみると、
目の前の風景も、
人生の見え方も、
少し変わってくるように思います。