小仏像に託された願い

このたび、境内の草むしりや清掃に三年にわたり足を運んでくださった方より、可愛らしくも気品ある小仏像をご寄進いただきました。


添えてくださったお手紙には、ご自身と奥様が後期高齢に至られる中で、子や孫の世代には仏教や供養への関心が薄れつつある現実への思いが綴られておりました。せっかくの仏像が、やがて粗末に扱われるのではないか——。その憂いを胸に、長らく境内の清掃を奉仕として続けてくださったご縁を頼りに、「玉泉寺にすべてを託すことで、曇り空が晴れて青空のように心安らぐ」と記しておられました。


仏像は単なる美術品でも飾り物でもなく、そこに込められた祈りと願いが、未来へとつながっていくものです。お手紙の一文には、「私たちの後も、この小仏像を大切に護り続けてほしい」という切なる願いがにじんでおりました。


草むしりという日々の小さな営みの積み重ねから、ご縁が生まれ、やがて仏像寄進という大きな実を結ぶ——。この出来事は、仏さまが人と人を結び合わせ、人生の不安を光へと変えてくださることを示しているように思われます。


いただいた小仏像は、玉泉寺にて末永くお守りし、来山される皆さまの心の拠り所となるよう祈念いたします。

合掌


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